maxresdefault-1

フランク・ミュラー

機械式時計の本格的な復帰に伴い、1990年代初頭に自身のブランドを創設し、圧倒的な支持を得たのがフランク・ミュラーである。フランク・ミュラーはまさに独立時計師によるブランド展開の先駆け的存在なのだ。フランク・ミュラーは1958年生まれのスイス人であり、ジュネーブ時計学校を主席で卒業した後に独立し、アンティーク時計の修復や愛好家からの受注により一点物などの製造に手がけた。1980年代後半になると、トゥールビヨン、ミニッツリピーター、パーペチュアルカレンダー、スプリットセコンドなどを組み込んだ腕時計を次々と発表し、世界記録を樹立。ただ欲するがままに天才の名をとどろかせた。自身の名を冠したフランク・ミュラーを創設してからも複雑時計の開発に勤しんだ。今日においても彼の卓越した技術とアイデアは輝き続けている。
panerai-watches-1362345_960_720

オメガ

世界中で広く知れ渡っているスイス時計の代表、オメガが創業を開始したのは1848年のこと。時計師であるルイ・ブランの手によって生み出された。その後、順調に業績を伸ばし、1894年には伝説とも言える高性能ムーブメントが発表された。このムーブメントはギリシア語のアルファベットの最後に登場する「Ω(オメガ)」と名付けられ、「究極」の意味を持つオメガブランドが誕生したのである。1903年にはそれまでの屋号であったルイ・ブラン兄弟会社からオメガへと社名が正式に変更された。天文台のコンクールで多数の新記録を勝ち取ったり、1932年のロサンゼルス・オリンピック以来公式時計を務めるなど、精密時計のオメガという名声を世界に知らしめたりといった歴史を経て、今なお現代のコレクションへと引き継がれている。
casio_ae12

タグ・ホイヤー

タグ・ホイヤーの歴史は、1860年、創始者であるエドワード・ホイヤー氏によってスイスのサンティミエに工房が創設されたことに始まる。タグ・ホイヤーはそれ以来150年以上にわたり、クロノグラフのスペシャリストとして不動の地位を確立してきた。カップリング機構の振動ピニオンを発明し、特許を取得。現在では主要時計メーカーの機械式クロノグラフに採用されている。2代目となるシャルル・オーギュスト・ホイヤーにおいても本領を発揮し、1916年には100分の1単位で計測できる世界初の機械式ストップウォッチ「マイクグラフ」を発表した。この技術力はスイス中の多くの人々により大絶賛され、今日に至っているというわけである。職人芸ここに極まれりである。
seiko_kinetic_chronograph_sportura_snl043

【結論】高級時計

ここ日本において、高級時計と言えばブランドの名だけが一人歩きし、その本質について承知している人が少ないというのが現状だ。腕時計は男の嗜みである。ファッション性というよりも社会的ステータスを意味することもあり、趣味と価値観を主張するといった部分もある。その際に一瞥するだけでなく、その時計の歴史にまで目を向けることも大切である。ちょっとしたうんちくでも構わない。これまで挙げてきたように、時計の歴史は非常に奥深い。職人たちが時代に応じた「最高」を目指し、日々試行錯誤してきた末、生み出された努力の結晶なのだ。社会的ステータスを得て、歴史を踏まえつつ自分に合った時計を選ぶことを心がけてみてはいかがだろうか。時計を身に付ける人、時計のブランド力がともに輝く一本の美しさは並大抵ではないはずだ。
640px-zenith_el_primero_36000_vph_tribute_to_charles_vermot_01

ゼニス

ゼニスは1865年、実業家であるジョルジュ・ファーブル・ジャコによってスイスのル・ロックルに創設された。近代的な製造システムを投入し、手頃な値段で高品質な時計を量産したゼニスはわずか10年で大規模工場を構えるほどに成長し、やがて国内外の博覧会で数々の賞を手にした。天文台コンクールでは1500もの受賞を果たし、その名を確立した。ゼニスとは「天頂」を意味する言葉である。1900年に発表された新型ムーブメントにも同じ名が冠され、ムーブメントにおける最高峰というニュアンスを込めた。戦前には一般時計だけでなく、海洋・航空・鉄道などに使用する精密時計を製造したことでも高い評価を受けた。こうして、あらゆる場面に対応する最高峰を作り上げたゼニスは、まさに万人に愛されるブランドなのだ。
clock-1663076_960_720

オーデマ・ピゲ

1875年、ジュラ山脈のふもとのジュウ渓谷で古くから時計製造業に携わっていた時計師、ジュール・ルイ・オーデマとエドワール・オーギュスト・ピゲによる協力体制のもと誕生したのが、オーデマ・ピゲだ。2人は複雑時計の開発に全力を注ぎ、初期の製品から最低でも一つは複雑機構を備えるよう心がけた。1882年、1892の両年において、ミニッツリピーターやパーペチュアルカレンダー、クロノグラフなどを組み合わせた超複雑時計は最高傑作である。腕時計においても、その一貫した姿勢が崩れることはもちろんない。ムーンフェイズ付きフルカレンダー、ジャンピングアワー、クロノグラフなどを多数製作し、伝統を重んじつつ、その技術力にさらなる磨きをかけ続けている、それがオーデマ・ピゲなのだ。
download-3

パテック・フィリップ

ジュネーブ屈指の老舗、それがパテック・フィリップだ。今日ではスイス最高の時計メーカーとしての地位を確立している。本格的に製造を開始したのは1851年であり、ポーランドからの亡命貴族、アントワーヌ・ド・パテックとフランス人時計師、ジャン・アドリアン・チャペックの手によって行われた。ジャンは現代の腕時計で一般的に使用されているゼンマイの巻き上げと針合わせをリューズで行う仕様の発明者でもある。この革新性と気品を重んじた優美なデザイン性で上流階級の人々を魅了した。さらに、複雑時計の製造でもその才能を存分に発揮し、1989年に発表された「キャリバー89」は、33の複雑寄稿を搭載する世界一の時計として世界中を震撼させた。華やかで気品溢れるデザインに常軌を逸した技術力、これがパテック・フィリップなのだ。
rolexdaytona

ロレックス

ロレックスの前身は、ドイツ出身の起業家ハンス・ウイルスドルフが1905年にロンドンに設立したウイルスドルフ&デイビス社である。当初はスイスのメーカーと提携し、製造した時計を輸入販売するのが目的だったという。ロレックスブランドが考案されたのは1908年のこと。ハンスはそれまで全く未知の世界であった腕時計を徹底追及し、新たな歴史を刻み込んだ。1910年には腕時計としては初となるクロノメーターの公式証明書を取得。さらに1926年、ねじ込み式の裏蓋とリューズにより、世界初の防水ケースで特許を取得した。これがオイスターだ。その後、1931年には世界初となる自動巻き機構「パーペチュアルローター」を開発し、現代自動巻きムーブメントの礎を形成した。つまり、あらゆる仕様を形成したのがロレックスなのだ。